- 害虫の発生時期
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4月
〜
11月
主に春(4月~6月頃)と秋(9月~11月頃)にかけて多く発生する。卵の状態で越冬するが、ビニールハウス内などの暖かい場所では、冬季も成虫の状態で活動する。
アブラムシの解説
アブラムシはカメムシ目のアブラムシ上科に属する昆虫の総称で、日本だけでも700種類以上、世界では3000種類以上いるといわれている。体長は1mm~3mm前後の種類が多く、体色は緑、赤、黒、茶、黄色など様々。
温暖な環境で活動や繁殖を行う為、寒冷地を除く日本全域で、主に春(4月~6月頃)と秋(9月~11月頃)にかけて多く発生し、真夏や真冬には減少する。冬季は卵の状態で越冬するものが多いが、ビニールハウス内や温室内、暖地などの暖かい場所では、成虫の状態で活動するものもいる。
越冬に備えて産卵する際など、必要に応じて雄を産むが、基本的には雌だけで単為生殖して増殖する性質があり、その繁殖力は非常に強く、短期間に増殖して群棲する。季節によっては翅をもったアブラムシが生まれ、それらは移動した先でまた繁殖する。
アブラムシは、様々な種類が草花、野菜、花木、庭木、果樹など、殆どの植物に寄生して被害を与える。
アリとは、天敵から防護してもらう等、共生関係にある。天敵は、アブラムシを捕食するテントウムシやヒラタアブ、カゲロウなど。
家庭菜園でのアブラムシの被害内容について
群棲して吸汁すると、作物が生育不良になったり、吸汁跡が奇形になる事がある。
また、ウイルス病に罹った植物を吸汁した個体が別の植物に移動して吸汁する事により、ウイルス病を媒介する。
家庭菜園でのアブラムシの予防について
キラキラと光るものを嫌う為、畝を囲むようにシルバーテープを張ったり、銀糸を織り込んだ防虫ネットなどで被覆すると、飛来するアブラムシが忌避するといわれる。
黄色を好む性質がある為、黄色の粘着シートを複数設置し、飛来するアブラムシを誘引して捕捉する。
網目の細かい防虫ネット(1mm未満の目合)で作物を被覆し、侵入を防ぐ。
アブラムシの天敵が繁殖する環境を作る(例:ソラマメ栽培におけるバンカープランツとしての麦類栽培など)
家庭菜園でのアブラムシの対策について
無農薬
補殺。指で潰したり、歯ブラシなどを使ってこすり落とす。また、粘着テープなどを使って駆除する。
牛乳や油石鹸水等をアブラムシに直接噴霧して窒息させる(液がアブラムシを被膜して、気門を塞ぐ)。
- 牛乳は水などで希釈せずに原液のまま使用する。
- 油石鹸水は、油(植物油など)1:水50の割合に石鹸水少々をよく混ぜ合わせて作る。
- その他、海草のフノリを水で戻した際の水や、でんぷんのりを水で溶いたものに少量の石鹸水を混ぜたものも同様の効果がある。
いずれも、噴霧してしばらくおいた後に洗い流すとよい。
農薬
- ベニカマイルドスプレー
- パイベニカVスプレー
- アーリーセーフ
- 園芸用キンチョールE
- 粘着くん液剤
- オルトラン(粒剤、水和剤、乳剤)
- モスピラン(粒剤、液剤)
- スミチオン乳剤
- マラソン乳剤