キクの解説
農薬等の心配がなければ観賞用のキクも食用が可能だが、食用品種は苦みが少なく、ほんのりとした甘みや食感がよいのが特徴。
最近では夏菊の食用品種も増えたが、一般には秋~初冬にかけて開花した秋菊を食用にする。多年草で、一度栽培すれば数年間は収穫ができ、挿し芽や株分けで株を増やす事もできる。
品種は、刺身のつまに使われる小菊の他、中~大菊の品種があり、黄花で代表的なものに「阿房宮」、薄紫花では花弁が筒状の「延命楽(もってのほか)」などがある。
若い葉も食用になる。
家庭菜園のキクの育て方について
栽培適期
生育適温は15℃~20℃。苗を5月頃に植えて育てる。
土壌の準備
pH6.0~7.0の土壌を好むので、酸度調整が必要な際には石灰を混ぜて中和する。堆肥などの腐植物に加え、元肥は、リン酸が多めで、チッソ、カリをバランスよく含む肥料を施す。
栽培方法
株間30cmで苗を植え付ける。覆土の厚さは5~6cm。生育が進んで草丈が高くなったら、倒伏しないように支柱を立てて結束する。
追肥は、7月~9月初旬にかけて2度程、中耕、土寄せと併せて行う。
収穫
品種によるが、9月~12月頃にかけて、完全に開いた花を順次摘み取る。
ポイント
- 基本的に整枝を行う必要はないが、大きな花を収穫したい場合には、7月中旬頃に、主枝と生育のよい側枝の2本立てに整枝するとよい。
- 霜に当たると花色が悪くなる事がある為、降霜までに収穫を終えるか、霜避け措置をする。
- 株を増やす場合には、栽培初年の翌年以降の初夏頃に、30cm程新芽が伸びた株を掘り上げて株分けし、枝先が10cm~12cm程地上に出るようにして、株を舟底植えする。挿し芽で増やす場合は、成長点から5cm~6cmで枝を折り取り、1~2時間程水あげしてから2cmの深さでポットなどの土に挿し、発根させてから6月頃に定植する。
キクに発生する病気や生理障害一覧
キクに発生する害虫一覧
キクのオススメ料理について
花弁をむしり取り、少量の酢を加えたお湯でさっと茹でておひたしや和え物、酢のものなどに利用する。彩りとして、サラダや散らし寿司に散らすのもよい。
さっと蒸してから重石などをして干し、海苔のように板状に乾燥させた黄菊が乾物として流通しているが、家庭でも作る事が可能。茹でてから冷凍保存もできる。
キクの若い葉は、天ぷらなどで食べられる。