ナタマメ

莢がナタの形に似ている事から、ナタマメの名になったと言われる。野菜としては若莢が利用され、主に福神漬けの原料になる。完熟豆は漢方薬として利用される。
野菜分類
まめ類
野菜科目
マメ科
別名
刀豆(トウズ、タチマメ、ナタマメ)、帯刀(タテハキ)
漢字
鉈豆
英名
sword bean
学名
Canavalia gladiata
家庭菜園の育てやすさ

ナタマメの解説

莢がナタの形に似ている事から、ナタマメの名になったと言われる。童話「ジャックと豆の木」のモデルとも言われ、蔓は旺盛に繁り、莢は大型で30cm以上にもなる。

赤花種や白花種、赤豆種、白豆種、茶豆種等があるが、品種によっては弱い毒性を含むものがある為、食用にするには白ナタマメ(花も豆も白色)が安心。野菜としては若莢が利用され、主に福神漬けの原料になるが、茹でて和え物やサラダなどでも食べられる。完熟豆は歯周病や蓄膿症、アトピーなどの改善に効果があるとして漢方薬に用いられ、昨今では健康茶として流通している。

つるあり種とつるなし種があるが、大量の収穫が必要ない場合や初心者は、支柱やネットを設置する必要がないつるなし種の栽培が手軽。高温性植物の為、温暖地での栽培が適している。

家庭菜園のナタマメの育て方について

栽培適期

発芽適温25℃前後、生育適温25℃以上。気温が十分に上がった5月頃に種をまく。早く育苗を開始する場合には、加温管理をするとよい。

土壌の準備

pH6.0~6.5の土壌を好むので、酸度調整が必要な際には石灰を混ぜて中和する。元肥は、リン酸がやや多く、チッソ、カリをバランスよく含む肥料を少なめに施す。

つるあり種は特に、チッソが多すぎると、過繁茂(葉ボケ)となり、莢つきが悪くなる事があるので、チッソの量には注意する。

地温の保持や乾燥防止に、畝にポリマルチを張るとよい。

栽培方法

株間30cm~40cmで1ケ所に種を3~4粒ずつ点まきする。覆土の厚さは1~2cm。しっかりと鎮圧してたっぷりと水遣りをする。発芽したら本葉3~4枚までに1ケ所1~2株に間引く。ポットで苗作りをして定植してもよい。

つるあり種は、つるが伸び始める頃より前に、支柱やネットを設置する。

追肥は、開花が始まった頃から定期的に行う。

収穫

若莢は、10cm~15cm程に育った頃が収穫適期。次々に実り、莢の肥大が早いので、早めに収穫する。とり遅れると莢が硬くなって食味が落ちる。

完熟豆の収穫は、秋以降に莢が枯れて、振るとカラカラと音がするようになった頃に行う。

ポイント

  • 発芽前に水を多く遣り過ぎると、種豆が腐って発芽しない事があるので注意する。
  • 種まき後から本葉が開くまでは鳥害に遭いやすいので、トンネル設置や不織布のベタ掛けで防御する。
  • 開花から莢が太る頃に水分が不足すると、落莢や変形果が多くなるので、適宜水遣りをして、土壌が乾燥しないようにする。
  • つるあり種は、親蔓が支柱やネットの先端まで伸びたら摘芯し、子蔓の発生を促す。子蔓も親蔓と同様に、支柱やネットの先端まで伸びたら摘芯する。生育後半は適宜混み合った蔓を剪定して整理するとよい。
  • つるなし種は、莢が肥大すると上部が重くなり株が不安定になるので、株元に土寄せをして倒れないようにする。短い支柱を添えるなどしてもよい。

ナタマメの主な品種一覧

ナタマメに発生する病気や生理障害一覧

ナタマメのオススメ料理について

若莢は、インゲンマメと同様にさっと茹でて和えものやおひたし、サラダに利用できる。煮たり、炒めたり、揚げてもよい。また、適当な大きさに切って、醤油漬け、味噌漬け、粕漬けなどの漬けものにも利用できる。

ダイコンニンジンなどの他の野菜と共に醤油や砂糖、酢などで味付けして漬ければ、福神漬けになる。

完熟豆は、香ばしく炒ってから粉砕して煮出せば、ナタマメ茶になる。

最終更新日:
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