ソラマメ

莢が空に向いてつく様子が空豆の名前の由来と言われる。また、蚕豆とも表記され、莢が蚕のまゆの形に似ている、あるいは蚕がまゆを作る時期においしくなる事が由来とも言われる。晩秋に種をまき、越冬させて翌年の初夏に収穫する。
ハツヒメソラマメの写真 出典: photo AC
野菜分類
まめ類
野菜科目
マメ科
別名
ノラマメ(野良豆)、ナツマメ(夏豆)、テンマメ(天豆)、シガツマメ(四月豆)
漢字
蚕豆・空豆
英名
broad bean (fava bean)
学名
Vicia faba
家庭菜園の育てやすさ

ソラマメの解説

大粒品種や中粒で長莢の品種の他、生食用品種や赤色豆の品種がある。生育初期に一定の低温に遭わないと花芽を生じない性質をもつ為、晩秋頃に種をまき、越冬させて栽培するのが一般的だが、春先から栽培できる品種もある。

充実した良質の豆を収穫する為には、春先から支柱設置や摘芯、摘果などの多くの管理作業が必要。

家庭菜園のソラマメの育て方について

栽培適期

発芽適温15℃~20℃、生育適温16℃~20℃。10月下旬~11月上旬に種をまいて幼苗で越冬させ、翌年初夏に収穫する。

土壌の準備

pH6.5~7.0の中性寄りの土壌を好むので、酸度調整が必要な際には石灰を混ぜて中和する。堆肥などの腐植物に加え、元肥は、リン酸がやや多く、チッソ、カリをバランスよく含む肥料を少なめに施す。

チッソが多すぎると、過繁茂(葉ボケ)となり、莢つきが悪くなる事があるので、チッソの量には注意する。

地温の保持や乾燥防止に、畝にポリマルチを張るとよい。

栽培方法

種まき

株間を30cm~40cmとり、1ケ所に種を2、3粒まく。お歯黒部分を斜め下にして、上部が地面すれすれに見え隠れする程度に、種豆を土に押し込むとよい。

間引き・追肥

発芽したら、本葉2枚頃までに1ケ所に1株になるように間引きする。この段階までポットで育苗をして定植してもよい。追肥は、翌春に花芽がついた頃と着莢時に行う。

その他の管理

生育が進むと株元から複数の側枝が伸びてくる。主枝が20cm程に育ったら、側枝の生育を促す為に、主枝を地際近くで摘芯する。

その後、草丈が30cm~40cmになったら、生育のよい枝を6~7本残して、他は地際から切り取る。同時に、株元に土入れをして、株の安定をはかるとよい。

花芽がつく頃になったら、倒伏防止の為に、支柱を柵状に設置する。

開花が始まったら、各枝6~7節目までの花芽を残して摘芯する。花後は1節に複数着莢するが、各枝6莢ずつを目安に残して、その他の生育の悪い莢を摘果するとよい。

収穫

上を向いていた莢が下向きに垂れ下がり、莢の筋が黒っぽくなってきた頃が収穫適期。適期を迎えたものから、順次摘み取る。収穫が遅れると甘みが落ちて豆が硬くなるので、とり遅れないようにする。

ポイント

  • 最も寒さに強い本葉5枚頃までの幼苗で越冬させるとよい。厳寒期までに大苗に育つと霜害で枯死する事もある為、種の早まきは避ける。
  • 発芽前に水を多く遣り過ぎると、種豆が腐って発芽しない事があるので注意する。
  • 種まき後から本葉が開くまでは鳥害に遭いやすいので、トンネル設置や不織布のベタ掛けで防御する。
  • ソラマメはエンドウと比べると耐寒性がやや劣るので、不織布のトンネルを設置するなどして、防寒策を施すとよい。
  • 開花期から莢の肥大期に水分が不足すると莢の充実に影響するので、適宜水遣りをして、土壌が乾燥しないようにする。
  • 春先からはアブラムシの被害を受けやすいので、初期に防除するよう努める。

ソラマメに発生する病気や生理障害一覧

ソラマメに発生する害虫一覧

ソラマメのコンパニオンプランツ一覧

ソラマメのオススメ料理について

塩茹でしたり、莢ごと焼いて、豆そのものを味わう事が多い。また、茹でたものをひたし豆にしたり、和え物やサラダに利用する事もある。炒めものや天ぷらなどの揚げものにしてもよい。

つぶしたソラマメにスパイスを加えてコロッケにしたアラブ料理もある。

ペーストにしてポタージュにしたり、砂糖を加えて菓子の餡にする事もできる。

ソラマメは糖度が落ちやすい野菜なので、収穫したらなるべく早く調理するのが好ましい。

最終更新日:
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