サトイモ

高温多湿を好む熱帯性植物で、夏から秋にかけて大きな葉を展開し、1m以上の草丈に生育する。一般に、地下に育つ芋を食用とするが、茎を食用とする品種や、茎も芋も両方食べられるものがある。
サトイモの写真 出典: photo AC
野菜分類
いも類
野菜科目
サトイモ科
別名
芋茎(ズイキ)
漢字
里芋
英名
eddoe
学名
Colocasia esculenta
家庭菜園の育てやすさ

サトイモの解説

春から初夏に種いもを植え付けて育て、秋から冬に収穫する。暑さには強いが乾燥には弱く、土壌水分が少ないと生育が極端に悪くなる。寒さにも弱く、霜が降りると葉が枯れる。

サトイモは、茎の基部が肥大して親芋となり、その周囲に子芋が、更に子芋に孫芋がつく。

品種は、主に親芋を食用とするもの、親芋子芋の両方を食用とするもの、子芋を食用とするもの、茎を食用とする専用種、芋も茎も食べられるものなどに分かれる。

家庭菜園のサトイモの育て方について

栽培適期

発芽適温、生育適温共に25℃~30℃と高温を好む。春から初夏の頃に種いもを植え、秋から冬の、葉が枯れる頃まで栽培する。早生種は、9月頃から収穫できる。

土壌の準備

pH6.0前後の土壌を好むので、酸度調整が必要な際には、石灰を混ぜて中和する。堆肥などの腐植物に加え、元肥はチッソ、リン酸、カリをバランスよく含む肥料を施す。

一般に、畝は広めの方が、芋の収穫量が多いといわれる。

地温の保持や乾燥防止に、畝にポリマルチを張るとよい。

栽培方法

株間を50cm以上とって植え穴を掘り、芽の部分を上にして種いもを植え付ける。覆土の厚さは5~6cm程。植え付け直後の水遣りは不要。

本葉が3~4枚に育ったら、追肥と土寄せをする。

その後も1ケ月に1度を目安に、9月頃まで追肥と土寄せを行う。

収穫

早生種で9月頃から、晩生種は11月頃から収穫できる。

葉を株元から切って、株の周囲にスコップや鍬を入れて株を掘り上げる。芋は土をつけたまま軽く乾燥させてから保管するとよい。

低温には弱い(腐敗する)ので、寒い場所を避けて保管する。

ポイント

  • 通常、萌芽までには1ヶ月前後の期間を要するが、予め暖かい場所に置いて芽出し処理をした芋を植えると、早く萌芽する。
  • サトイモは、脇芽がいくつも発生する。放任でもよいが、都度かきとると、親芋や子芋の肥大がよいといわれる。小さな孫芋を増やしたい場合には、芽かきの必要はない。
  • 芋は種いもより上の位置にできる為、土寄せはたっぷりと何度も行う。しっかりと土寄せをしないと、収穫量に影響する。
  • 土壌が乾燥すると生育が悪くなり、芋の収穫量も期待できない為、乾燥が激しい真夏には、たっぷりと水遣りをするとよい。また、追肥や土寄せの為にポリマルチを撤去したら、代わりに敷き藁などで、土壌の乾燥防止に努める。

サトイモに発生する病気や生理障害一覧

サトイモに発生する害虫一覧

サトイモのオススメ料理について

加熱して使用する。煮ものにしたり、炒めたり、揚げたり、茹でた芋を和えものにしたり、潰してサラダにもできる。

大別すると、粘りが強くしっとりとした質感の品種と、比較的粘りが少なくホクホクした食感をもつ品種に分かれるので、好みで使いわけるとよい。ホクホクした品種のサトイモは、コロッケなどにも向く。

茎が食べられるものは、アク抜き後、主に煮ものや和え物、酢のものにして食べられ、干して保存食にもされる(干しずいき)。茎が食用種でないものは、アクが非常に強い為、食べないのが無難。食べると、含まれるシュウ酸カルシウムの刺激で、口内が痺れる。芋も、加熱しないと同様なので、注意する。

最終更新日:
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