フキの解説
日本原産の植物で、生育には半日陰や湿り気のある土壌を好み、野山に自生している事も多い。
繁殖力が強く、一度植えれば地下茎を伸ばして年々株を増やし、春先には花芽(フキノトウ)を、初夏には葉柄(フキ)を収穫する事ができる。
冬には地上部が枯れるが、越冬して翌春には再び生育を開始する。栽培開始の年は収穫を控えて株の養成に努め、翌年より本格的な収穫を開始する。
家庭菜園のフキの育て方について
栽培適期
生育適温は10℃~25℃。春(3月~4月頃)か秋(9月~11月頃)に根株(地下茎)を植え付ける。
土壌の準備
pH6.0前後の土壌を好むので、酸度調整が必要な際には石灰を混ぜて中和する。堆肥などの腐植物に加え、元肥は、チッソ、リン酸、カリをバランスよく含む肥料を施すが、多肥の必要はない。
高温と乾燥に弱い為、夏には半日陰になる場所が好ましい。繁殖力が強く地下茎が広く伸びる為、他の作物の生育に影響が及ばない場所を選ぶ。
栽培方法
深さ4~5cmの植え溝を掘り、10~15cmに切り分けた地下茎(根株)を株間30~40cmで横向きに置き、覆土してたっぷりと水遣りをする。
追肥は、6月下旬~7月上旬頃と8月下旬~9月上旬頃、2月~3月頃に毎年施す。
収穫
フキ(葉柄)は、50~60cmに育ったものを刈り取って収穫する。4月~6月頃に収穫できるが、栽培開始の年には収穫を控えるか少量にとどめて株を養成する。
フキノトウは2月~3月頃に地際に出蕾するので、苞が開き切る前に株元から切り取って収穫する。生育が早く、収穫適期は短いので、取り遅れないように注意する。
ポイント
- 乾燥と高温に弱い為、敷き藁などをして土壌の乾燥防止に努める。夏は遮光したり、日陰に移動させるとよい。
フキに発生する害虫一覧
フキのコンパニオンプランツ一覧
フキのオススメ料理について
フキは、葉、茎共に食べられるが、アク抜きの下処理をしてから調理する。
葉は茹でて水に晒す作業を2~3回繰り返して、渋みが抜けたら佃煮などにするとよい。茎は板ずりをしてから茹でて水にとり、表皮を剥いておひたしや和え物、煮もの、炒めものなどに利用する。サラダやピクルスにしても合う。
また、表皮を取り除かずに長時間醤油や砂糖などで煮て佃煮(伽羅蕗)を作る事もできる。フキノトウは、天ぷらや、きざんだものを甘味噌で炒めたフキノトウ味噌が定番。
切るとすぐにアクで黒ずむので、和え物やおひたしにする際には、切ったらすぐに断面を水につけ、さっと茹でて水に晒してから使用するとよい。