チコリの解説
緑化栽培した葉は苦みが強い為、ごく若い葉や花をサラダなどに利用する。
生育には冷涼な気候を好む多年草で、春や秋に種をまいて育てる。生育すると草丈は50cm~1m程になり、初夏から夏にかけてトウ立ちして青い花を咲かせる。
野菜として流通しているチコリは、軟白栽培された苦みの少ない柔らかな若葉。冬に肥大した根を掘り上げ、暗所で再び栽培する事で、小さなハクサイ型の結球チコリができる。
根は、乾燥させて炒るとコーヒーのように利用できる事から、チコリコーヒーと呼ばれる。
家庭菜園のチコリの育て方について
栽培適期
発芽適温、生育適温共に10℃~20℃。春(3月~4月頃)や秋(9月~10月頃)に種をまいて育てる。
土壌の準備
アルカリ性寄りの土壌を好む為、pH6.5~8.0程度になるように石灰を混ぜて酸度調整をする。堆肥などの腐植物に加えて、元肥はリン酸が多めで、チッソ、カリをバランスよく含む肥料を施す。
根が直根で深く伸びる為、深耕しておく。
栽培方法
株間25cm~30cm程で種を3~4粒ずつ点まきし、ごく薄く覆土してたっぷりと水遣りをする。発芽したら適宜間引き、本葉5~6枚頃までに1本立ちにする。直根性の為、直播きが適しているが、ポットなどで育苗する場合には、ごく幼苗の頃に根を傷つけないように注意して定植するとよい。
追肥は、冬季を除く生育期間中、月に1~2度の割合で、生育状況をみながら定期的に施す。
軟白栽培をする場合は、春まきではその年の冬に、秋まきでは翌年の冬に、葉を株元から5cm程のところで切り落とし、肥大した根を掘り上げる。根の先端部分をカットして土を入れた容器などに埋め戻し、光が入らないように箱などを被せて15℃前後の環境で栽培すると、白く柔らかい若葉が育つ。
深い瓶などに挿して、水耕栽培してもよい。
収穫
緑化栽培中は、ごく若い葉を適宜必要な分だけ摘んで収穫する。初夏から夏にかけて開花した花も収穫する事ができる。
軟白栽培では、栽培開始から約1ケ月後が収穫の目安。根を掘り上げて株元から切り取る。
ポイント
- 緑化栽培した若い葉を主に収穫する際には、春まきはトウ立ちが早いので、秋まきの方が長く収穫を楽しめる。
- 軟白栽培の際には、株元に籾殻などを積み上げると、締まりのよい結球になる。
チコリのオススメ料理について
若葉や花は、少量をサラダなどに加えるとよい。
軟白栽培のチコリは、きざんでサラダに加えてもよいが、ボート型の形状を生かしてカナッペの台にすると見栄えがよい。また、焼いたり炒めたり、天ぷらなどにしても食べられる。
チコリコーヒーを作る場合には、根を薄切りにして天日干しして乾燥させ、ローストして粉に挽くとよい。