トウガラシの解説
高温を好む夏野菜で、適切に管理すれば、秋まで長く栽培を楽しめる。初心者は、苗から育てると栽培しやすい。
辛みのあるトウガラシは、一般に赤く熟した果実を収穫するが、緑色の未熟果や若い葉も利用できる。現在は様々な品種があり、熟すと黄色やオレンジ、クリーム色に変わるものがある。
シシトウガラシなどの辛みのないトウガラシは甘唐辛子と呼ばれ、未熟果のうちに収穫する。
家庭菜園のトウガラシの育て方について
栽培適期
生育適温は25℃~30℃と比較的高温を好む為、4月~5月の遅霜の心配がなくなった頃に苗を植え付ける。寒さには弱いので、苗の早植えは避けた方がよい。秋まで長く栽培できる。
土壌の準備
pH6.5前後の土壌を好むので、酸度調整が必要な際には石灰を混ぜて中和する。堆肥などの腐植物に加え、元肥はリン酸が多く、チッソ、カリをバランスよく含む肥料を多めに施す。
根張りが浅く乾燥に弱い為、畝にマルチを張るとよい。
栽培方法
株間を40cm以上とって、一番花の蕾がついた頃の苗を植え付けるとよい。定植したら、苗が倒れないように仮支柱を立て、たっぷりと水遣りをする。株が育ってきたら、本支柱を立てて仕立てるが、主枝と一番花のすぐ下2本の枝を育てる三本仕立てにするのが一般的。それより下の脇芽は随時かきとる。
支柱は各枝に沿うように立て、生長に応じて紐で誘引するが、小型のトウガラシは果実が軽量なので、主枝に沿って本支柱を1本立てるだけでもよい。枝が混み合ってきたら、適宜剪定する。追肥は、最初の実がついた頃からを目安に、定期的に行う。
収穫
未熟果で収穫する品種は、開花から約2~3週間で収穫できる。次々に実をつけるので、果実につやがあるうちに、どんどん収穫する。
多く実をつけた状態が長いと、株が疲労するので注意する。完熟果で収穫する品種は、開花から60日前後の、果実が完全に色づいた頃に収穫する。
ポイント
- 乾燥に弱い為、長く雨が降らない時などは、適宜水遣りが必要。
- 肥切れや水切れを起こすと、結実しなかったり、甘唐辛子は、果実が辛くなる事があるので注意する。
トウガラシに発生する病気や生理障害一覧
トウガラシのオススメ料理について
辛味種のトウガラシは、主にスパイスとして利用するが、ピクルスにして食する事ができるものもある。
タカノツメなどの完熟果は、天日干しして乾燥させれば、長期保存が可能。
未熟果を収穫したものは、青トウガラシとして利用できる。小口切りにして酢漬けにし、辛みが移った酢ごと調味料として使用したり、唐辛子味噌や柚子胡椒などにも使用される。
若い葉は、葉唐辛子として、佃煮などに利用できる。
甘唐辛子は、焼く、炒める、煮る、揚げるなどの加熱調理に向くが、サラダや和え物などの生食も可能。
丸ごと焼く、揚げるなどの調理をする際には、予め穴を開けるなどしておかないと、果実の中の空気が膨張して破裂する事があるので注意する。