カボチャの解説
カボチャは、西洋カボチャ、日本カボチャ、ペポカボチャの三種類に分けられ、西洋カボチャはほくほくして甘みが強いのが特徴。日本カボチャは粘質でねっとりした食感。ペポカボチャは果実の形や食味がユニークなのが特徴で、ズッキーニや金糸瓜などがそれに当たる。
生育が旺盛な夏野菜で、一部の品種を除いて蔓が長く広範囲に伸びる為、栽培には広い場所が必要。支柱やネットで棚を作り、果実が小さく軽量なミニカボチャを立体栽培したり、蔓が広く伸びない品種を選べば、比較的狭い場所でも栽培できる。
発芽適温が25℃~30℃と高温が必要なので、初心者は苗から育てると栽培しやすい。
家庭菜園のカボチャの育て方について
栽培適期
生育適温は20℃~28℃だが、西洋カボチャはこれよりやや冷涼な気候を好む。4月~5月の遅霜の心配がなくなった頃に苗を植え付ける。
土壌の準備
pH6.0前後の土壌を好むので、酸度調整が必要な際には石灰を混ぜて中和する。堆肥などの腐植物に加え、元肥はチッソ、リン酸、カリをバランスよく含む肥料を、少なめに施す。
カボチャは吸肥力が強く、元肥が多いと過繁茂(つるボケ)となり、実つきが悪くなる事があるので注意する。
地温保持や乾燥防止に、畝にポリマルチを張るとよい。
栽培方法
株間を50cm以上とって、本葉3~4枚程度に育った苗を植え付ける。ポットで苗を育てて定植してもよい。定植したら、苗が倒れないように仮支柱を立て、たっぷりと水遣りをする。
仕立て方は様々あるが、親蔓と生育のよい子蔓2本、又は、親蔓を本葉4~5枚で摘芯して、生育のよい子蔓2~3本を育てるのが一般的。各蔓の10~13節目以降についた雌花から着果させ、それより前についた雌花や孫蔓を摘み取ると、その後の生育がよい。
追肥は、最初の実が肥大し始めた頃に行う。
収穫
西洋カボチャは、開花後40~45日後、日本カボチャやミニカボチャは30~35日後(品種によって異なる)の、果実の艶がなくなり、ヘタが十分にコルク化した頃が収穫適期。
収穫後に2~3週間程、風通しのよい涼しい場所で保管すると、デンプンの糖化が進んで甘みが増す。
収穫直後は、甘みが少なく水っぽい事が多い。
ポイント
- うどんこ病にかかりやすいので、予防に努めたり、発病したら早めに対処する。
- 雌雄異花植物である為、栽培する株数が少ない場合には早朝に人工授粉を行うと、着果の確率が高くなる。
- 地這い栽培の場合には、蔓が風であおられて傷まないよう、敷き藁をして蔓を絡ませたり、U字ピンなどで固定するとよい。また、時々果実を回転させて日に当てる(玉なおし)と、果実が満遍なく着色する。
カボチャのオススメ料理について
加熱して食する。煮ものにしたり、揚げたり、焼く、炒めるなどして食べられる。茹でたり蒸したりして潰し、サラダにも使われる。また、ペーストにしてポタージュや菓子類(プリンやパイ、タルトなど)に使用される事も多い。
ミニカボチャは、果実まるごとの形を生かしたグラタンやプリンにも、よく利用される。