コムギの解説
大別すると、軟質コムギ、硬質コムギ、中間質コムギ、デュラムコムギに分かれ、それぞれに含まれるたんぱく質(グルテン)の量の違いから、製パン用、製麺用、製菓用等に使用用途が分かれる。
軟質コムギはグルテン含有量が少なく、多くは薄力粉になり、硬質コムギはグルテン含有量が多い為強力粉に、中間質コムギは中力粉になる事が多い。
デュラムコムギはマカロニやスパゲティなどのパスタ用途が主。コムギの品種は多岐に渡るが、用途や地域に遭った品種を選んで栽培する。ディラムコムギは、日本の気候の性質上、栽培は困難と言われている。
春まき品種と秋まき品種があるが、本州以西では、いずれの品種も秋に種をまいて翌年の初夏から夏に収穫するのが一般的。
家庭菜園では、風避けやバンカープランツ、敷き藁としての利用価値もある。
家庭菜園のコムギの育て方について
栽培適期
発芽適温10℃~15℃、生育適温20℃以下。10月~11月頃に種をまいて越冬させ、翌年6月頃に収穫する。
土壌の準備
pH6.0~6.5の土壌を好むので、酸度調整が必要な場合は、石灰を混ぜて中和する。堆肥などの腐植物に加え、肥料は、チッソ、リン酸、カリをバランスよく含む肥料を施すが、多肥の必要はない。
栽培方法
条間30cmの溝を作り、種をすじまきにする。覆土の厚さは3cm~5cm。播種後はしっかりと鎮圧して水遣りをする。
発芽したら、霜による根浮き防止や根張りと分けつ促進の為に、年内に1度と年明けに2度程、麦踏みをする。
追肥は、生育状況をみて2月上旬と3月上旬に行い、同時に土寄せも行う。
収穫
出穂後45日前後が目安。穂首が黄金色に変わって垂れた頃、粒を指で押してみて十分な硬さを感じたら収穫適期。株ごと刈り取って乾燥させる。収穫が早過ぎると穂に実が入っていなかったり、遅くなると茎が折れたり入梅してしまうので、適期の収穫を心掛ける。
食用としない場合には、早めに刈り取って乾燥させるとよい。
ポイント
- 種まきが早過ぎたり遅すぎたりすると、生育過剰や生育不良で病害に遭いやすくなる為、適期に種まきをする。
- 浅く種まきすると鳥の食害に遭いやすい為、注意する。不織布などをベタ掛けして防除してもよい。
- 3月以降の立茎後は、麦踏みをしない。
- 収穫が遅れても鳥の食害に遭うので、注意する。
コムギのコンパニオンプランツ一覧
コムギのオススメ料理について
脱穀・製粉して、栽培品種に合った用途で調理する。製粉時に取り除かれるふすま(表皮)は、ミネラルや食物繊維が豊富な為、クッキーやグラノーラなどに利用できる。
コムギの粒を丸ごと挽けば、ミネラルなどの栄養を豊富に含む全粒粉になる。