ノラボウナの解説
花茎と花蕾を食用とする菜花の類で、苦みがなく、甘みと適度な歯ごたえのある食感が特徴。
東京都西多摩地方や埼玉県飯能市付近で古くから栽培され、菜花の中でも美味で定評がある。
秋に種をまき越冬させ、春にトウ立ちした花茎を収穫する。生命力が強く脇芽の発生が旺盛で、生育すると1m近い大株になる。
アブラナ科には稀な自家和合性で自然交雑しない為、自家採種も容易。寒さにも強く育てやすい。初心者は苗を購入して育てるとよい。
家庭菜園のノラボウナの育て方について
栽培適期
発芽適温は20℃前後、生育適温は5℃~20℃。秋(10月下旬~11月頃)に苗を植えて育てる。種から育てる際には、秋(9月頃)に種をまく。
土壌の準備
pH6.0~6.5の土壌を好むので、酸度調整が必要な際には石灰を混ぜて中和する。堆肥などの腐植物に加え、元肥はチッソ、リン酸、カリをバランスよく含む肥料を施す。
栽培方法
株間30cm~40cmで本葉4~5枚に育った苗を定植する。ポットや苗床に種をまいて育苗し、植え付けてもよい。
無肥料でもよく育つが、春の出蕾の頃から少量ずつ定期的に追肥を施すと、更によく育つ。
収穫
春(3月頃)に最初に伸びる花茎が20cm~30cmになったら摘み取り収穫をすると、次々と脇芽が育つので、開花前の花茎を順次折り取って収穫する。手指で折り取れる部分からが柔らかい。
ポイント
- 虫害に遭いやすいので、虫が多い時期には寒冷紗や不織布などのトンネルを用いるなどして防除する。
- 寒さには強いが、厳寒期には不織布やビニールなどのトンネルを設置して防寒するとよい。
- 脇芽が次々と伸びるので、収穫が遅れないように適宜収穫する。脇芽が育ちすぎて多く開花すると、食味が悪くなる。