タケノコの解説
竹の新芽で食用に向くものを、一般にタケノコという。
春先に流通する代表的なタケノコのモウソウチク(孟宗竹)の他、5月頃に新芽が伸びるハチク(淡竹)、ネマガリタケ(根曲竹)、ホテイチク、夏から秋に新芽が伸びるリョクチク(緑竹)、秋にとれるシホウチク(四方竹)、シセンホウチク(四川方竹)など、数種類ある。
タケノコの発生温度は13℃前後からで、竹の生育には年の平均気温が10℃以上である事が望ましい。強靭な地下茎を広く伸ばして生育する為、栽培には広大な土地が必要で、モウソウチクなどは、年に7~8mも地下茎を伸ばす事がある。
家屋の床下などに地下茎が伸びると、生育した竹が床を突き破る事がある為、栽培場所には注意が必要。
根圏を制限するには、コンクリートブロックなどを地下茎が生育する深さ以上の深度に埋め込む必要がある。
家庭菜園のタケノコの育て方について
栽培適期
苗(芽つきの地下茎)は、タケノコが発生する時期の1ケ月以上前(春にタケノコが発生するものは2月下旬~3月頃)に植え付ける。
土壌の準備
酸性寄りの土壌で腐植物が多く水もちがよい土壌を好む為、堆肥や腐葉土などを多く施用し、チッソ、リン酸、カリをバランスよく含む肥料を元肥に施すとよい。
品質のよいタケノコを収穫するには、1株につき最低でも4m四方の土地が必要。地下茎は地表より20cm~30cmの深さで生育する為、根圏を限定する際には、地下50cm以上、地上30cm程度の強固なコンクリートブロックなどを隙間なく埋め込んで、地下茎が外に伸びないように注意する。
栽培方法
モウソウチクは、苗(芽つきの地下茎)を30cm程度の深さに植え付け、発芽するまで少量ずつ小まめに水遣りをする。発芽したら、生育のよいタケノコを親竹に選び、他は刈り取る。
親竹が5~6mまで生育したら先端を折り取り、株元に生える細い竹や雑草も小まめに刈り取る。
秋になったら、腐植物の補充を行うとよい。地表に藁や腐葉土などを敷き、その上に土をかける。
追肥は、タケノコの収穫を終えた5月後半頃と、地下茎の生長が盛んになる前の7月下旬~8月上旬頃、タケノコの芽(芽子)が発生する9月頃、タケノコが発生する直前の1月中旬~2月頃に毎年施すとよい。
収穫
春になりタケノコの先端部分が地表に出たら、やや離れた場所からクワなどを入れて地下茎からタケノコを切り離して掘り取る。生育が早いので、早朝に行う事が望ましい。
ポイント
- 乾燥を嫌うので、水切れしないように注意する。特に、タケノコの発生時期から地下茎の生育時期(3月~10月)は、乾燥させない方が上質のタケノコが育つ。
- 親竹を複数本生育させる場合には、間隔を2m前後とるとよい。
- 老化した親竹からはタケノコが発生しない為、5~6年で伐採して親竹の更新をするとよい。
タケノコのオススメ料理について
モウソウチクなどのアクがあるタケノコは、皮を除いて糠と共に茹で、アク抜きをしてから使用するが、収穫してからの経過時間が少ないもの程、アクが少ないといわれている。ハチクなどはもともとアクが少ないので、水で茹でればよい。
茹でたものは、和え物、焼きもの、煮もの、揚げもの、炒めものや汁もの、炊き込みご飯など、多様な調理方法で食べられる。
茹でたものを天日干しして乾燥させたり、水煮したものを密閉容器に詰めて脱気すれば、長く保存できる。