サツマイモ

乾燥に強く、栄養分の少ない痩せた土地でもよく育ち、栽培中の手間もあまりかからない高温性の作物。地中に育つ芋の他、蔓も食べられる。
サツマイモの写真 出典: photo AC
野菜分類
いも類
野菜科目
ヒルガオ科
別名
甘藷(かんしょ)、唐芋(からいも、とういも)、琉球薯(りゅうきゅういも)
漢字
薩摩芋
英名
sweet potato
学名
Ipomoea batatas
家庭菜園の育てやすさ

サツマイモの解説

5月~6月頃に蔓苗を植え付けて、9月~10月に収穫する。地表を覆うように蔓が広範囲に伸びる為、栽培には広い土地が必要。

栽培期間はやや長いが、乾燥した土壌や栄養分の少ない痩せた土地でもよく育ち、管理にもあまり手間がかからない為、初心者でも育てやすい。蔓も食用になる。

芋は、ホクホクした粉質の品種や、ねっとりした粘質の品種の他、焼酎やでんぷん加工用のもの、肉色が紫色やオレンジ色の品種があり、蔓を食用とする専用種もある。

家庭菜園のサツマイモの育て方について

栽培適期

生育適温は30℃前後と高温を好む為、十分に気温が上がった5月~6月に蔓苗を植え付け、9月~10月頃まで栽培する。

土壌の準備

酸性の土壌でもよく育つ事から、pH5.5以下でなければ、中和の為の石灰は不要。堆肥などの腐植物に加え、元肥はチッソが少なく、リン酸、カリをバランスよく含む肥料を少量施す。チッソが多いと、葉ばかりが繁って芋が育たない(蔓ぼけ)事があるので、注意する。

サツマイモは吸肥力が強く、栄養分が少なくてもよく育つので、前作に作物を栽培した土地なら、特に肥料を施さなくてもよい。

排水性のよい土壌を好む為、畝は高く作り、雑草防止や苗の活着促進の為に、畝にポリマルチを張ってもよい。

栽培には広い土地が必要だが、支柱やネットでしっかりした棚を作って蔓を誘引する立体栽培をすれば、比較的狭い場所でも栽培できる。

栽培方法

株間を30cm程とり、蔓苗の3~4節が埋まるように畝に挿し、葉は埋めないようにする。一般に蔓苗は購入し、植え付け前に切り口を水に挿してたっぷりと吸水させておくとよい。

気温が上がり、蔓の生育が旺盛になったら、時折蔓返し(蔓起こし)をする。

追肥は特にしなくてよいが、7~8月頃に葉色が悪くなった時のみ、少量施す。

収穫

その年の天候にもよるが、サツマイモの収穫適期は、植え付けから大よそ120日~140日程なので、早生種なら9月下旬頃から収穫可能。晩生種はそれより3週間~1ケ月後が目安。試し掘りをして、芋の肥大を確認してから掘り上げるとよい。

小さすぎても大きくなりすぎても、食味が落ちる。

収穫時には、蔓を刈り取ってから、芋を傷つけないよう、株元からやや離れた位置からスコップなどで掘り上げるとよい。掘り上げたら、少し乾燥させてから暖かい場所で保管する。

収穫してから2~3週間以上経過すると、でんぷんが糖に変化して甘みが増すといわれている。

ポイント

  • 植付けは、曇天や小雨、雨の前日を選んで行うと、乾燥による苗の枯死が防げて活着しやすい。
  • サツマイモは、苗の植え方が芋の数や大きさに影響するといわれる。垂直植えは芋の数は少ないが大きな芋がつき、斜め植えは活着しやすく、芋の数はやや少なめで芋はやや大きめになる。
  • 舟底植えや水平植えは芋の数は多くなるが、小さな芋もつく。水平植えが一般的。

サツマイモに発生する病気や生理障害一覧

サツマイモのオススメ料理について

丸ごと焼いたり、蒸したりしてそのまま食される事が多いが、切って煮たり、炒めたり、揚げたりして惣菜としても利用される。

加熱した芋を潰せば、サラダやコロッケ、ポタージュにもなり、ペーストにしてスイートポテトやきんとんなどの菓子類にもよく使われる。

蔓は、表皮が硬い場合には皮を剥き、炒めたり煮たりして食べられる。

最終更新日:
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