イチゴの解説
イチゴは種から育てる事も可能だが、一般的には秋に苗を植え、越冬させて翌年の初夏に果実を収穫する。秋の低気温と短日に感応して花芽分化し、春夏の気温上昇と長日により開花・結実する。
ランナー(ほふく枝)を伸ばして繁殖し、ランナーの先端には新しい株(子株)を次々とつけるので、栽培2年目以降は、性質のよい子株を選んで株を増やす事も容易。
大別すると、一季成り品種と四季成り品種があり、一季成り品種の収穫期間は短いが、四季成り品種は収穫期間が長く、秋まで続く。
家庭菜園のイチゴの育て方について
栽培適期
生育適温は18℃~25℃。10月中旬~11月に苗を植え、越冬させて翌年5月~6月に収穫する。
土壌の準備
pH6.0前後の土壌を好むので、酸度調整が必要な際には石灰を混ぜて中和する。堆肥などの腐植物に加え、元肥は、リン酸をやや多めに、チッソ、カリをバランスよく含む肥料を施す。
栽培期間が長い為、緩効性肥料や有機肥料を用いるのが効果的。
栽培方法
条間、株間共に30cm~40cmで、クラウンを埋めないように注意して、苗を植え付ける。
冬になると休眠して生長を停止するが、翌年3月頃から生長を再開するので、その頃に地温保持や乾燥防止、果実の汚れ防止の為に、黒マルチを張ったり敷き藁などをするとよい。
追肥は、休眠前の11月と生長を再開する直前の2月頃に行う。
収穫
5月頃から収穫が始まる。果実が赤く熟したら、随時摘み取る。イチゴは追熟しないので、完熟したものを収穫する。
ポイント
- 根焼けしやすいので、元肥を施した後は十分期間を置いてから苗を定植する。
- 果実はランナー(親株側)の反対側につくので、苗にランナーの跡がある場合には、反対側を畝の通路側に向けて植え付けると、管理がしやすい。
- 根が浅く乾燥に弱い為、土壌の乾燥には注意する。
- 病気予防の為に、休眠期間中に発生する枯れ葉は随時取り除く。
- 養分の分散を避ける為に、収穫終了までは、発生するランナーは早めに取り除くとよい。
- 受粉を助ける昆虫が少ない時期には、柔らかな筆などで人工授粉を行うと、形のよい果実が収穫できる。
- 果実が熟してくると鳥害に遭う事があるので、防鳥ネットなどで防御するとよい。
- 次期作の苗を作る時は、収穫終了後にランナーを育て、土を入れたポットなどで次々にできる子株を受けるとよい。
- 子苗が活着したら、親株側のランナーを数cm残して切り離すと、定植の際の目印になる。
- 一般的には、親株から一番目の子株はウイルス病羅病の可能性がある為廃棄し、2番目以降の子株で生育のよいものを定植時まで管理する。
イチゴに発生する病気や生理障害一覧
イチゴに発生する害虫一覧
イチゴのオススメ料理について
主にそのまま生食したり、菓子類に利用するが、サラダに加えたり、冷製パスタの具としたり、米と煮込んでリゾットにするなど、食事に使われる事もある。
また、加熱してジャムにしたり、菓子類のソースにしたりもする。