ニンジンの解説
品種は東洋系と西洋系に大別され、東洋系は金時ニンジンや島ニンジンなど、根長30~40cm程の長根のものが多く、西洋系は三寸ニンジンや五寸ニンジンなど、根長10cm~20cmの短根が多い。初心者は、短根の方が栽培しやすい。
ニンジンは、ミニ種や、色が黄色、紫、白、黒などのものや、生食用に開発されたフルーティーで甘みの強いもの等、品種は数多い。
夏まき秋冬採りの作型が栽培しやすいが、品種によっては春まき栽培もできる。発芽を揃えるまでが、比較的難しい。
家庭菜園のニンジンの育て方について
栽培適期
発芽適温は15℃~25℃、生育適温は18℃~21℃。夏まきでは、7月~8月にかけて種をまく。春まきは、3月中旬~4月にかけて種まきする。
土壌の準備
pH6.0前後の土壌を好むので、酸度調整が必要な際には石灰を混ぜて中和する。堆肥などの腐植物に加え、元肥は、チッソ、リン酸、カリをバランスよく含む肥料を施す。
又根防止の為に土壌を深耕し、石や固い土の塊は取り除いておく。
栽培方法
条間20cmで溝を作り、種をやや厚めにすじまきする。播種後はしっかりと鎮圧してたっぷりと水遣りをする。覆土の厚さは5mm~1cm程。好光性種子の為、覆土は厚くしない。
発芽したら、本葉2~3枚頃に株間2~3cmに、本葉5~6枚頃に株間6~10cm程になるように間引く。
最後の間引きを終えたら、追肥と土寄せを行う。
収穫
一般的な五寸ニンジンでは、種まきから110日~120日後の、根の直径が4~5cmに育った頃を目安に引き抜く。三寸ニンジンは種まきから90日前後、東洋系長根種では130日前後が収穫適期の目安。
ポイント
- ニンジンの種子は発芽率があまり高くないので、種は多めにまくとよい。また、吸水力が低い為、発芽までは土壌を乾燥させないようにする。
- 種まき後に不織布をベタ掛けしたり、発芽までは小まめに水遣りをする事が必要。夏まき栽培では、梅雨明け前に種まきをするとよい。
- 初期生育が非常にゆっくりで雑草に負けやすい為、こまめに除草する。
- 移植すると又根になりやすいので、必ず直まきし、移植はしない。
- ニンジンは、隣株の葉が触れ合う程度の密生状態の方が初期生育がよいので、間引きは急がなくてよい。
- 生長につれ根の頭部が地上に露出するが、日光に当たると緑化する為、土寄せは怠らない(品種によっては、根が地上に露出しづらいものもある)。
- 生育後半に余分な栄養分や水分が多いと裂根する事がある為、過剰な追肥や水遣りは避けるとよい。
ニンジンのオススメ料理について
生食も加熱調理もできる。生でサラダや和え物、ジュースにしたり、炒める、煮る、揚げるなど、調理の幅は広い。菓子類にも利用される。
ニンジン特有の香りが気になる場合には、さっと加熱する事により抑えられる。