フジマメの解説
「千石豆」や「つる豆」など、地方によって様々な呼び名があり、栽培が多い関西地方では「インゲンマメ」と呼ばれる事もある。藤の花を逆さにしたような形の花房をつけ、莢はエンドウマメに似た形状で、独特の芳香がある。
高温性の植物で乾燥にも強く、蔓は旺盛に伸び、非常に多産。収穫時に花房を傷めなければ、30日~40日後に再び同一花房に着莢するという性質を持つ。
白花と赤花品種があり、白花品種の方が莢が柔らかく香りがよいといわれる。つるなし品種もある。
栽培は容易で花が美しい事から、観葉植物としての人気も高い。
家庭菜園のフジマメの育て方について
栽培適期
発芽適温は25℃~30℃、生育適温は23℃~28℃。気温が十分に上がった5月頃に種をまく。
土壌の準備
土壌の適応性は高いが、pH6.0~6.8程度になるように石灰などで酸度調整をするとよい。
元肥は、リン酸・カリをバランスよく施し、チッソは通常の半量程度でよい。チッソが多いと、葉ばかりが繁って莢つきが悪くなる事があるので、注意する。
地温保持や乾燥防止に、畝にポリマルチを張るとよい。
栽培方法
つるあり種は株間を30cm~40cm、つるなし種は株間を25cm~30cmとり、1ケ所に種を3、4粒まいて、本葉3~4枚頃までに1ケ所に1~2株を残して間引きする。ポットで苗作りをして定植してもよい。
つるあり種は、つるが伸び始める頃より前に支柱やネットを設置する。
追肥は、開花が始まった頃から定期的に行う。
収穫
莢が7~8cm程になった頃が収穫適期。次々に実り莢の肥大が早いので、どんどん収穫する。とり遅れると莢が硬くなって食味が落ちるが、完熟させれば豆が食べられる。
ポイント
- 発芽前に水を多く遣り過ぎると、種豆が腐って発芽しない事があるので注意する。
- 種まき後から本葉が開くまでは鳥害に遭いやすいので、トンネル設置や不織布のベタ掛けで防御する。
- 蔓が旺盛に繁るので、つるあり種は、生育後半は適宜混み合った蔓を剪定して整理するとよい。