ヤーコンの解説
少ない肥料でよく育ち、病害虫にも強い為、栽培の手間はあまりかからない。生育すると草丈は1.5m~2m程に育ち、秋にはヒマワリに似た花を咲かせる事がある。
地下に育つサツマイモに似た塊根は、食物繊維、ミネラル、ポリフェノールの他、フラクトオリゴ糖を豊富に含むとして、健康野菜としても注目されている。葉も、お茶として利用できる。
ヤーコンは、塊根とは異なる塊茎を種芋にして育てるが、初心者は苗から育てると栽培しやすい。
家庭菜園のヤーコンの育て方について
栽培適期
生育適温は17℃~23℃。寒さに弱い為、遅霜の心配がなくなった4月下旬~5月に苗を植え付け、初霜の前後に収穫する。真夏には暑さの為に生育が停滞する事があるが、秋には再び生育が盛んになる。
土壌の準備
pH5.0~6.0の酸性寄り土壌でもよく育つ為、中和の為の石灰の必要はあまりないが、多湿に弱く、排水性のよい土壌を好む。堆肥などの腐植物に加え、元肥はチッソ、リン酸、カリをバランスよく含む肥料を施し、深耕しておくとよい。
栽培方法
株間を50cm程とって、本葉4~5枚程に育った苗を植え付ける。ポットで苗を育てて定植してもよい。
8月~9月にかけて塊根が肥大するので、この時期に追肥と土寄せを行う。
収穫
11月以降の初霜の前後に塊根を掘り上げる。表皮が傷つきやすいので、サツマイモを掘る要領で、株元から離れた位置からスコップなどで掘り上げるとよい。掘り上げたら、乾燥に注意して保存する。
すぐに食するより、2週間以上経過してからの方が甘みが増すといわれている。
葉を収穫する場合には、生育旺盛な時期から初霜前までに、必要な分だけ摘み取るとよい。
株元についた塊茎は、土に埋めて霜が降りない場所で保管すれば、翌年の種芋として使用できる。
ポイント
- 乾燥には強いが、土壌の乾燥が激しい真夏の時期には、適宜水遣りをする。
- 種芋から育てる場合には、塊茎を、芽をつけて20g前後ずつに切り分け、3月以降にポットに植え付けて、暖かい場所で管理するとよい。
- 草丈が高く、強風などで倒伏しやすい為、他の作物に影響が少ない場所や、強風に晒されない場所で栽培するとよい。
ヤーコンに発生する病気や生理障害一覧
ヤーコンのオススメ料理について
生食も加熱調理しても利用できる。生食すると、ほのかな甘みがあり、梨のようなサクサクとした食感なので、サラダや和え物、甘酢漬けなどにして食す事ができる。
加熱すると甘みが増すので、キンピラなどの炒め物や揚げ物の他、汁ものの具にもなる。すりおろして、ジュースやスープにしたり、小麦粉などと混ぜて団子にしてもよい。
白く仕上げたい場合には、切った後に水や酢水にさらすとよいとされている。