ユリネの解説
ユリネはユリの鱗茎で、食用として主に流通しているのはコオニユリの鱗茎。
アクが強く食用に向かない品種も多く、他に食べられるのはヤマユリやオニユリなど。本来は、種や木子、珠芽(品種による)を植えて栽培し、植え替えを繰り返しながら5~6年かけて鱗茎を肥大させるが、種苗店で種球根として売られているやや小振りの鱗茎を植え付ければ、栽培期間も短く初心者でも育てやすい。
食用に売られているユリネで、キズや傷みがないものを種球根にする事も可能。収穫までには数年かかるが、鱗茎を1枚ずつの鱗片にばらして植え付け、株を増やす事もできる。
家庭菜園のユリネの育て方について
栽培適期
生育適温は15℃~20℃。秋(9月~11月頃)か春(2~3月頃)に種球根を植え付ける。春に萌芽する。
土壌の準備
pH5.0~6.0の酸性寄りの土壌を好むので、酸度調整が必要な場合のみ石灰を混ぜて、30cm以上深耕しておく。堆肥などの腐植物に加え、元肥は、リン酸が多く、チッソ、カリをバランスよく含む肥料を施す。多肥の必要はない。
栽培方法
株間15cm~20cmで種球根の4倍程の深さに根部を下にして植え付け、たっぷりと水遣りをする。球根中央の窪みに水が溜まって腐敗しないよう、やや斜めに傾けて植え付けるとよい。
春になって萌芽したら、1ケ月後と着蕾の頃に追肥を施す。
収穫
秋になり茎葉が枯れた頃に、鱗茎を傷つけないようにやや離れた場所からスコップなどで掘り上げて収穫する。
掘り上げたユリネは、おがくずに埋めたり新聞紙で包んで乾燥させないように注意して、冷暗所で保存するとよい。
ポイント
- 暑さにはやや弱い為、夏には半日陰になる場所で栽培するか、株元に敷き藁などをして土壌の乾燥や地温の上昇を防ぐとよい。
- 鱗茎の肥大を促す為、蕾は早めにすべて摘み取る。花を咲かせてしまうと、鱗茎の肥大に影響する他、苦みが増して食味が悪くなる事がある。
- 草丈が高くなると強風などで倒伏しやすくなる為、鱗茎を傷つけないように株元からやや離れた位置に支柱を立てて結束するとよい。
- 連作に弱い為、種や珠芽、鱗片、木子、小さな鱗茎から数年かけて育てる場合には、毎年株を掘り上げて別の場所に植え替える。最低でも4年以上は同じ土地での栽培は避けた方がよい。また、病気にも弱い為、掘り上げる際には鱗茎を傷つけないように注意する。
ユリネのオススメ料理について
一般的には、鱗茎から鱗片を1枚ずつはがして利用する。素揚げにしたり、炒めたり、茶碗蒸しの具や卵とじにするなど、調理用途は広い。
加熱するとホクホクした食感になる。茹でてマッシュし、つけあわせやきんとんに利用する事もできる。