トウガンの解説
生育に高温を好む蔓性植物で、水分が果実の9割以上を占める淡泊な食味の夏野菜。完熟果の保存性は高く、「冬瓜」の名の通り、適切に保存すれば冬まで日持ちする。
品種は、丸トウガン、長トウガン、琉球トウガン等があり、果実が巨大に肥大するものや、小玉スイカ程度の大きさのミニ種がある。トウガンは、通常は完熟すると表皮の細かな産毛が落ち、白い粉(ブルーム)が全体を覆うが、琉球トウガン系の品種にはブルームが殆ど見られない。
蔓が伸びる為、栽培には広い土地が必要だが、ミニ種であれば、支柱やネットで作った棚で立体栽培すれば、狭い場所でも栽培できる。
家庭菜園のトウガンの育て方について
栽培適期
発芽適温25℃~30℃、生育適温18℃~28℃。遅霜の心配がなくなり、十分に気温が上がった5月頃に苗を植え付ける。
発芽に高地温が必要な為、種から育てる場合には、加温、保温などの管理が必要。
土壌の準備
pH6.0~6.5の土壌を好むので、酸度調整が必要な際には石灰を混ぜて中和する。堆肥などの腐植物に加え、元肥はチッソ、リン酸、カリをバランスよく含む肥料を施す。元肥にチッソが多いと過繁茂(つるボケ)となり、実つきや果実の肥大が悪くなる事があるので注意する。
地温保持に畝にポリマルチを張るとよい。
栽培方法
広めの畝に株間を80~90cm程とって、本葉4~5枚に育った苗を植え付ける。種から育てる場合には、ポットに種をまき、加温して育苗するか、遅霜の心配がなくなった頃に畝に点まきして、ビニールトンネルなどで保温するとよい。
親蔓が本葉5~6枚に育ったら摘芯し、生育のよい子蔓4本を育て、着果するまでは孫蔓を摘み取る。
追肥は、果実がピンポン玉程に肥大したら少量施し、以降は生育状況を見ながら適宜、少量ずつ施す。
収穫
開花後25日~1ケ月の頃から若採りできる。開花後40日~50日程経過して完熟したものを収穫してもよい。ブルームがつく品種は、表皮の産毛が落ち、全体が白くなった頃が完熟。
ポイント
- 種の表皮が硬く透水性が低い為、種から育てる場合は、一晩浸水させてから種まきすると、発芽しやすい。
- 高温性の植物の為、苗の植え付けから当面は、ビニールトンネルなどで保温すると生育がよい。
- 雌雄異花植物である為、栽培する株数が少ない場合には早朝に人工授粉を行うと、着果の確率が高くなる。
- 地這い栽培の場合には、泥はねなどで蔓が汚れたり傷まないよう、敷き藁などをして蔓を這わせるとよい。
トウガンのコンパニオンプランツ一覧
トウガンのオススメ料理について
通常は、皮を取り除いて加熱して利用する。味にクセがない為、煮ものやスープなどに利用する他、薄切りして炒めてもよい。
若採りしたものは、生食もできる。薄切りして塩もみし、和え物やサラダで食べられる。