コンニャクイモの解説
サトイモの仲間で、地下には芋が育ち、地上部は観葉植物のような独特の形状の葉が展開する。栽培期間が長く、コンニャクの原料として適した大きさの芋に育てるには、生子(キゴ・1年生)の植え付けから2年以上の栽培期間が必要。
春に種芋を植え付け、秋に掘り上げて貯蔵し、再び春に植え付ける事を繰り返して大玉の芋に育てる。最初は、2年生の種芋を購入して栽培すると、コンニャクに加工できるサイズの芋の収穫と共に子芋(生子)の収穫もできる。
生育には温暖な気候を好み、土壌の多湿や乾燥、強風や強い直射日光を嫌う。
強風などで葉が傷ついただけでも病気に罹りやすく、再生力も弱い為、栽培場所は強風を避けられる場所がよい。
家庭菜園のコンニャクイモの育て方について
栽培適期
生育適温は23℃~27℃。寒さに弱い為、十分に地温が上がった4月~5月頃に種芋を植え付ける。
土壌の準備
pH5.5~6.5の土壌を好むので、酸度調整が必要な際には石灰を混ぜて中和する。堆肥などの腐植物に加え、元肥は、チッソ・リン酸・カリをバランスよく含む肥料を施す。多肥の必要はない。
栽培方法
溝または穴を掘り、種芋を切らずに6cmの深さで植え付ける。株間は、2年生の種芋で15cm~20cm(生子は10cm、3年生は30cm~45cm程)。2年生以上の種芋は、芽を上にして45度程傾けて植える。
萌芽したら、土壌の乾燥や雑草防止に敷き藁などをするとよい。葉色が淡い場合には、7月下旬~8月上旬頃に追肥を行う。
収穫
10月頃、葉が黄変して倒伏したら掘り上げる。コンニャクに加工するには、大き目の夏みかん~小玉スイカ程の大きさの芋が適する。小さなものは粘度が弱い事がある。
ポイント
- 2年生以上の種芋は、芽の周囲の窪みに水が溜まると腐りやすくなる為、傾斜をつけて植え付ける。
- 土壌が乾燥しすぎたり多湿にならないように注意する。
- 強風や真夏の強光を嫌う為、寒冷紗や遮光ネットなどを使い分けて対策するとよい。
- 種芋を翌年まで貯蔵する場合は、掘り上げた芋を数日間天日乾燥させ、気温7℃~10℃の場所で湿度70%~80%を保つようにして、芽を下や横に向けて保存する。少量の場合には、排水のよい土壌に20cm程の深さに埋めて保存してもよい。
コンニャクイモのオススメ料理について
コンニャクやシラタキに加工して利用する。芋を茹でてミキサーやおろし金ですりおろし、炭酸ナトリウムや灰などで凝固させて再び茹でる。
粘膜に強い刺激をもたらすシュウ酸カリウムを含む為、生食はできない。