シュンギクの解説
シュンギクには大葉種、中葉種、小葉種があり、大葉種は葉の切れ込みが浅くて葉肉が厚く、香りが穏やかで、主に西日本で栽培されている。中葉種は全国的に流通が多い一般的なもので、香りが強く葉の切れ込みが深い。小葉種は、葉の切れ込みが最も深く香りが強いが、現在ではあまり栽培されていない。
中葉種には、茎があまり長く伸びず、株ごと抜き取って収穫する「株張り型」と、分枝性が強く、茎が立って長く伸び、長い期間摘み取り収穫ができる「株立ち型」がある。最近では、長く伸びた茎の先端部に葉が集中する形状の品種(スティック春菊)も開発された。
栽培には冷涼な気候を好み、家庭菜園では春と秋に栽培ができる。病害虫の心配が少なく、初心者でも栽培しやすい。
家庭菜園のシュンギクの育て方について
栽培適期
発芽適温、生育適温共に15℃~20℃。春まきでは3月下旬~5月頃に、秋まきでは9月頃に種をまく。
土壌の準備
pH6.0前後の土壌を好むので、酸度調整が必要な際には石灰を混ぜて中和する。堆肥などの腐植物に加え、元肥は、チッソがやや多めで、リン酸、カリをバランスよく含む肥料を施す。
栽培方法
条間20cmで溝を作り、種をやや厚めにすじまきする。播種後はしっかりと鎮圧してたっぷりと水遣りをする。覆土の厚さは5mm~1cm程。好光性種子の為、覆土は厚くしない。
発芽したら、本葉4~5枚の頃までに、株張り型は株間が10cm程に、株立ち型は株間が15cm~20cmになるように間引く。
株張り型は追肥の必要はないが、栽培期間の長い株立ち型は、最初の収穫後から、生育状態を見ながら随時追肥を行う。
収穫
株張り型は、草丈が15cmになった頃に抜き取り収穫をする。株立ち型は、草丈が20cm~25cmになったら、収穫を兼ねて本葉4~5枚を残して摘芯する。
脇芽が伸びたら同様に摘み取り収穫すれば、どんどん分枝する。手指でポキッと折れる部分からが茎が柔らかい。
ポイント
- 水分が浸透しづらい硬実種子の為、一晩浸水させてから種まきすると、発芽しやすい。
- 発芽率がやや低めなので、種は厚まきするとよい。
- 防虫ネットなどでトンネル栽培をすると、ハモグリバエ被害の防止になる。
- 初期生育が遅く雑草に負けやすい為、こまめに除草する。
- 春まき栽培ではトウ立ちが早いので、蕾がついたら早めに摘み取るか、収穫を終えるようにする。
- 花も美しく、開花したものは観賞用としても利用できる。
シュンギクのオススメ料理について
サラダで生食もできるが、一般には茹でておひたしや和え物にしたり、炒めものや天ぷらなどに利用する。鍋ものの素材としてもよく用いられる。
ペーストにしてソースに利用したり、パスタなどに和えてもよい。