- カナ
- キンカクビョウ
- 病気の発生時期
- 3月 〜 11月
菌核病の解説
病原はスクレロティニア スクレロティオラムと呼ばれる糸状菌の一種で、胞子の飛散や菌核から伸びた菌糸によって伝染する。
トマト、ナス、キュウリなどの果菜類やダイズ、インゲンマメなどのまめ類、キャベツやハクサイ、レタスなどの葉菜類など、ナス科、ウリ科、マメ科、アブラナ科を中心とした非常に多くの種類の作物が侵される。
果菜類やまめ類では茎、葉、果実に発病が見られ、茎では初め暗緑色の水浸状病斑を生じる。病斑が拡大して茎を取り巻くようになるとそれより上部は萎れて枯死し、後に茎の内部に黒色の鼠糞状の菌核を形成する。葉では暗緑色や褐色の水浸状病斑を生じる。果実では初め、がくや咲き終わった花弁などにカビが生じ、次第に果実に拡大して水浸状の病斑を生じる。病斑部には白色のカビが発生し、発病茎同様、後に黒色の鼠糞状の菌核を生じる。
キャベツやハクサイなどの結球野菜では地際部の外葉から発病する事が多く、初めは水浸状の病斑を生じ、やがて結球部に至って腐敗する。ブロッコリーやカリフラワーなどは地際部の茎や葉柄、花梗や花蕾などが水浸状に腐敗する。いずれも多湿時には病斑部に白色のカビを生じ、後に黒色で鼠糞状の菌核を形成する。
菌核は地表に落ちて土壌中に長期間残存し、伝染源となる。菌核から発生した5mm前後大のキノコ状の子のう盤に胞子が形成され、これが空中に飛散したり、菌核から伸びた菌糸によって伝染が拡大する。
気温15℃~20℃程の多湿条件が発病に好適である為、春や秋に発生しやすい。
家庭菜園での菌核病の被害内容について
茎や葉の発病により生育不良となる。多発すると株が枯死する。
果実が発病すると減収の直接的な原因となる。
家庭菜園での菌核病の予防について
- 土壌の多湿は発病を助長する為、水はけのよい土壌作りに努める。
- 子のう盤からの胞子飛散防止に、マルチングをして土壌を被覆すると効果がある。
- 過繁茂を避ける為、多肥や密植とならないよう注意する。また、適宜剪定を行って風通しをよくする。
- 発病しやすい作物の連作を避ける。
家庭菜園での菌核病の対策について
無農薬
菌核が形成される前に病部を除去したり、酷い発病株は抜去する。残渣は畑に残さずに処分する。
農薬
トップジンM、アフェット、アミスター、ロブラール、スミレックス、ベンレートなどを作物に応じて散布する。