アスパラガスの解説
植え付けから10年近く収穫を続ける事ができる多年草で、春から秋に発生する新芽を食用にする。
冬には地上部が枯れるが、春になると毎年萌芽する。種から栽培すると本格的な収穫開始まで3年程かかる為、大量に必要ない場合には、1~2年養成した根株を購入して植え付けると、早く収穫ができる。
一般的な緑色の品種の他に、紫色の品種がある。ホワイトアスパラガスは、一般的なアスパラガスを遮光して軟白栽培したもの。
家庭菜園のアスパラガスの育て方について
栽培適期
発芽適温20℃~30℃、生育適温15℃~20℃。5月~6月頃に根株を植え付ける。種から育てる場合には、3月~4月に種をまいて育苗する。
土壌の準備
pH6.0~7.0の中性寄りの土壌を好み、酸性を嫌うので、酸度調整が必要な際には石灰を混ぜて中和する。根が深く広く伸びる為、土壌を深耕し、堆肥などの腐植物に加え、元肥は、リン酸が多めで、チッソ、カリをバランスよく含む肥料を施す。
長期間に渡って同じ場所で栽培する事を考慮し、日当たりと風通しがよく、他の作物の邪魔にならない栽培地を選ぶとよい。
栽培方法
1m以上の広めの畝に、株間40cmで、根を広げて芽を上にした根株を植え付ける。覆土は10~12cm程。萌芽したら、生育状況を見ながら、半月に1度を目安に、秋まで追肥を続ける。
種から育てる場合には、苗床またはポットに種を播いて育苗する。種は一晩浸水させると、発芽しやすい。株間20cmで苗床に点まきし、本葉3~4枚で生育のよいものを残して1本立ちにするか、大き目のポットで、約1年間、株を養成する。
葉が完全に枯れたら株元から刈り取って、晩秋か翌年の春先に定植する。
収穫
根株から育てた場合は2年目から、種から育てた場合は3年目から収穫を開始する。
新芽が20~25cmに伸びたら、穂先が固く締まっているうちに株元から切り取る。採り遅れると、穂先が開いたり茎が硬くなるので、適期に収穫する。
暖かくなると生育が速くなり、1日に数cmも生育する事があるので、注意する。
ポイント
- 乾燥に弱い為、土壌が乾燥しすぎないように注意する。
- 草丈は150cm以上にもなるが、茎が細く、風で傷んだり倒伏しやすい為、周囲に支柱やネット、紐などで柵を作り、倒伏防止策を施すとよい。
- アスパラガスは、生育期に葉茎に蓄えた養分を、主に秋に根に転流させて貯蔵する。その貯蔵量が翌年の萌芽数や太さに影響する為、収穫開始年は収穫期間を10日間程にとどめて、すべてを収穫せずに、1株当たり10本程度は残して育てるとよい。年生が長くなるにつれ多く収穫できるようになるので、前年の倍の期間を収穫期間の目安にする。
- 晩秋から冬に地上部が完全に枯れたら、株元から刈り取るが、病害虫の予防の為に、刈り取った枯れ茎は畑から持ち出し、株元の茎はバーナーなどで焼却すると安心。
アスパラガスに発生する害虫一覧
アスパラガスのオススメ料理について
茎の株元に近い部分は硬い事があるので、ピーラーなどで皮を剥くとよい。
さっと下茹でしてからサラダや和え物にしたり、炒める、焼く、揚げるなどして食べられる。
春先の昼夜の寒暖差が大きい時期のアスパラガス程糖度が高い傾向があり、また収穫後は糖度の低下が早い為、収穫後は早めに加熱した方が甘さを楽しめる。