- カナ
- フハイビョウ
- 病気の発生時期
- 3月 〜 11月
腐敗病の解説
病原は寄生する作物によって異なる数種の細菌で、被害残渣と共に土壌中に生存した病原が雨風や管理作業等で飛散して作物の傷口から侵入し、レタス、タマネギ、チンゲンサイ、コンニャクイモ等、多種類の作物を侵す。
レタスの発病には感染する細菌の種類により2種の症状があり、結球期以降に結球部の外側と直下の2,3葉に褐色不整形の病斑を生じ、その後、結球全体が黒変して乾燥する症状と、外葉下部の縁や中肋に水浸状の病斑が発生し、葉脈が褐変して急速に拡大、株全体が軟化腐敗する症状がある。また、複数の細菌の感染による複合型の症状を生じる事もある。
病原は比較的高温多湿を好む為、気温が高い時期の作型や秋~春にかけてのトンネル栽培においてのトンネル内の高温多湿により発病するケースが多い。
タマネギでは初め葉身に暗緑色の水浸状の不整形病斑を生じ、葉脈に沿って上下に進展する。病変部は次第に壊死し、病斑が葉鞘や葉鞘基部に達すると枯死する。鱗茎は淡桃色や褐色に変色して軟化、腐敗する。
発病適温はやや低温の為、春先頃に被害が多い。
チンゲンサイでは初め葉柄が水浸状となり、やがて褐変、腐敗する。葉の黄化や葉縁の縮れを伴う事がある。
コンニャクイモでは小葉及び小葉柄が軟化腐敗してその部分から垂れ下がる。葉柄が侵されると下方に向かって水浸状に腐敗し、早期に倒伏する。芋も侵され、腐敗する事がある。
7月~9月頃にかけての高温多湿条件で発病が多い。
レンコンにも腐敗病が生じる事があるが、これは糸状菌のピシウム属菌やフザリウム属菌によるもので、土壌伝染する。
フザリウム属菌に侵されると地上部では最初、葉縁が淡褐色となり、次第に中心に向かって枯れ込み、やがて葉茎全体が枯死する。地下部では塊茎の中心部が褐変し、腐敗する。
ピシウム属菌に侵されると、塊茎の表層部が黒く腐敗する。
家庭菜園での腐敗病の被害内容について
生育不良となり株が枯死する事がある。
収穫部の病変により減収したり、品質が大きく損なわれる。