ヒラタケの解説
ヒラタケは欧米ではオイスターマッシュルームと呼ばれる味のよいキノコ。かつてはビン栽培による株立ち状で傘が小型のものが「シメジ」として流通していた。
栽培には主に2通りの方法があり、クルミやヤナギ、ポプラ、アカシヤ、ハンノキ、クワ、リンゴなどを伐採した原木を培地にして栽培する原木栽培と、オガ粉などを固めた菌床を培地にして栽培する菌床栽培がある。
原木栽培では、通常は原木に種菌を接種して、適度な温度と湿度を保つよう管理し、その年の秋より収穫を開始する。環境が適していれば、同じ原木から数年間続けて収穫をする事が出来る。初心者や少量栽培用に菌糸繁殖済みの原木(ほだ木)も販売されている。原木栽培では自然界で発生したものに近い大型のヒラタケが収穫できる場合も多い。
菌床栽培は、オガ粉に米糠やふすま、おからなどを混ぜて円筒又はブロック状に圧縮成型したものを培地にし、殺菌、種菌接種を行って栽培するが、初心者は、種菌接種済みの菌床栽培キットを購入して栽培すると手軽。室内で適切に管理すれば、2週間~4週間程で収穫でき、同じ菌床から連続して2~3回程収穫ができる事もあるが、家庭での栽培では形のよいヒラタケが育ちづらい場合がある。
家庭菜園のヒラタケの育て方について
栽培適期
発生温度は10℃~20℃程。原木栽培では主に秋から早春にかけて伐採した原木に2月~4月頃にかけて種菌接種を行う。
菌床栽培では、室内気温が適温であれば周年栽培が可能。
土壌の準備
原木栽培では、伐採したりホームセンターなどで購入するなどしてクルミやヤナギ、ポプラ、アカシヤ、ハンノキ、クワ、リンゴ等の一般広葉樹の原木を用意する。初心者や少量栽培の場合は、種菌接種済みの原木を購入するとよい。
菌床栽培でも同様に、専用の菌床栽培キットを利用すると手軽。
栽培方法
原木栽培には長木法と短木法があり、長木法では、長めの原木にドリルなどで数箇所の穴をあけて専用の種駒を接種する。その後、仮伏せ(原木を棒積みにし、ブルーシートや遮光ネット、ムシロなどで被覆して湿度を保つ)をして、菌糸の発生と活着を促す。
7月頃より本伏せを行う。雨は当たるが直射日光は当たらない排水のよい土壌(少量では雨の当たる日陰や遮光ネットで覆った露地トンネル内など)に原木同士を密着させずに地伏せにしてヒラタケの発生を待つ。
短木法では15cm程の厚さに玉切りをした原木にオガ粉、種菌、水を混ぜたものを厚く塗りつけ、種菌を塗り付けた面が密着するようにそれぞれを重ねて仮伏せする。
本伏せは、重ねた原木をばらして一つずつ、種菌を塗り付けた面を上にして直射日光が当たらない場所に浅く埋め込み、ワラなどを被せてこまめに散水し、ヒラタケの発生を待つ。
すでに菌糸が十分に繁殖した原木(ほだ木)を購入すれば、本伏せからの作業をすればよい。
菌床栽培キットは、説明書に従って浸水、覆土などの作業を行って適温の室内で管理すれば、2~4週間程で収穫が出来る。
収穫
原木栽培では9月下旬頃より発生が始まる。長木法では、ヒラタケの傘の直径が5~8cm程の大きさに生長した時点で株ごと収穫する。
短木法や菌床栽培では、傘の直径が2~3cmの頃に株ごと収穫する。
ポイント
原木栽培では、発生が始まったら収穫前までに2~3日毎に木の表面が湿る程度に散水すると、より多く収穫が出来る。
ヒラタケに発生する害虫一覧
ヒラタケのオススメ料理について
加熱して利用する。煮る、焼く、炒める、揚げるなど、様々に利用できる。炊き込みご飯の具にしたり、天ぷらや汁ものにしても美味。
水分が多い為、炒める場合などは強火で手早く調理するとよい。生のまま冷凍したり、塩漬けなどにすると長期保存が出来る。