マイタケの解説
自然界では秋に、主にナラ、カシ、シイなどのブナ科樹木に発生する。1本の木から複数株が発生したり、大型の株が生じる事も多い。
栽培には主に2通りの方法があり、ミズナラやコナラなどを伐採した原木を培地にして栽培する原木栽培と、オガ粉などを固めた菌床を培地にして栽培する菌床栽培がある。
マイタケは他の菌茸類と比較して害菌に弱い為、種菌を接種する前に培地をよく殺菌消毒する必要がある。
原木栽培では、個々に袋に密封した原木を熱湯や高温の蒸気で殺菌消毒し、冷却した後に、雑菌が入らないようにして種菌を袋内部にばらまいて接種し、適温を保った専用施設で管理する。マイタケ菌が原木に十分に回ったら土中に埋め込んで秋のマイタケ発生を待つ。
環境が適していれば、同じ原木から数年間続けて収穫をする事が出来る。家庭での栽培用に、菌糸繁殖済みの原木(ほだ木)も販売されている。
菌床栽培は、オガ粉に米糠やふすま、おからなどを混ぜて円筒又はブロック状に圧縮成型したものを培地にし、殺菌、種菌接種を行って栽培するが、家庭では種菌接種済みの菌床栽培キットを購入して栽培すると手軽。
適切に管理すればその年の秋には収穫でき、同じ菌床から連続して2~3回程収穫ができる事もある。 環境さえ適していれば、菌茸類の中ではマイタケは比較的栽培しやすい。
家庭菜園のマイタケの育て方について
栽培適期
発生温度は14℃~20℃程。原木栽培では主に秋から春までの時期に殺菌消毒をした後に種菌接種を行う。
菌床栽培では、室内気温が適温であれば周年栽培が可能だが、専用施設が必要な為、家庭では春~晩夏までに種菌接種済みの菌床を用意する。
土壌の準備
原木栽培ではミズナラやコナラ等の広葉樹の原木を用意して、種菌接種前に消毒作業を行う必要があるが、家庭ではそれが困難である為、種菌接種済みの原木を購入するとよい。
菌床栽培でも同様に、専用の菌床栽培キットを利用すると手軽。
栽培方法
種菌接種済みの原木を利用した栽培では、3月~8月頃までに深さのある大型のプランターに原木を置き、赤玉土などの排水性のよい土を入れて全体が埋まるように覆う。その後たっぷりと灌水し、適度に雨は当たるが直射日光が当たらない日陰に置いて秋のマイタケ発生を待つ。
車庫などの屋内に置く場合には、土が乾燥しすぎないように適度に灌水をする。容器を使わず、排水がよい土壌の日陰や、遮光ネットのトンネルを設置した畑に原木を埋めてもよい。
菌床栽培キットでも原木同様に栽培できる。
収穫
発生から1~2週間後が目安。マイタケの傘が大きくなり、1株の外観が半球に近くなった頃に株ごと摘み取る。
ポイント
1本の原木や菌床で栽培するより、複数本を密着させて栽培した方が菌糸の繁殖や栄養状態が良好となり、大株や多数のマイタケが発生しやすくなる。
マイタケに発生する病気や生理障害一覧
マイタケに発生する害虫一覧
マイタケのオススメ料理について
加熱して利用する。香りと食感がよく、煮る、焼く、炒める、揚げるなど様々に利用できる。
炊き込みご飯の具にしたり、天ぷらや汁ものにしても美味。但し、煮るとマイタケの色素が煮汁に溶け出て黒くなる為、色を重視する場合には長く煮込まず、加熱時間を短くするとよい。
マイタケは干して乾燥させれば長く保存する事が出来、旨みも増す。生のまま冷凍してもよい。