マコモダケの解説
マコモは、日本や中国、東南アジアの河川や沼などの水辺に自生する多年性植物。
食用となるのは、中国などから導入された栽培種で、茎に黒穂菌が寄生する事により、根元の部分が筍状に肥大したもの。ほんのりとした甘みとサクサクした食感が特徴で、中華料理などによく利用される。
水生植物で、池や田などの水と土のある環境で生育する為、栽培する際には池や田を作るか、大きな容器に田土などの粘土質の土と水を入れて栽培する。生育には温暖な気候を好み、草丈は2m近くにまで育つ。
分けつして株が増えるので、栽培を開始する際には、前年の古株を株分けしたものを入手するか、苗を購入するとよい。
家庭菜園のマコモダケの育て方について
栽培適期
生育適温は15℃~20℃以上。5℃以上で萌芽し、20℃~30℃で分けつする。春(4月~5月頃)に株を植え付け、秋に収穫する。
土壌の準備
栽培環境には、田土などの粘土質の土壌と十分な水が必要。池を作る際には、40cm程度の深さに地面を掘り、水が漏れないように大型のビニールシートなどを敷いて底と壁面を覆い、土を30cm程埋め戻すとよい。
土壌のpHは5.5~6.0程度に調整し、作付けの1ケ月以上前までに堆肥などの腐植物と適度な水分を加えてよく混ぜ、馴染ませておく。
容器栽培の場合は、大きくて深い容器に同様の環境を作る。水は、水深5cm程度に張る。水枯れ防止の為、栽培池はすぐに水を補充できる場所が望ましい。
栽培方法
株間1m程で2~3苗ずつをまとめて、倒伏しない程度の深さに植え付ける。容器栽培の場合は、容器の中心部に2~3苗をまとめて植え付ける。苗が活着したら水量を増やし、水深10cm程になるように水を張る。
追肥は、生育が盛んとなる7月~8月に、チッソ主体の肥料を与えるとよい。
収穫
早生種は9月上旬頃から収穫できる。株元が肥大したものから随時刈り取る。
株元の膨らみが白く見えた時が適期で、収穫が遅れると外皮が緑化し、黒穂菌によって内部に黒い斑点が入るので注意する(斑点があっても食用には問題ない)。
ポイント
- 水切れさせないように注意する。生育が盛んな真夏頃は、特に水枯れしやすい。
- 分けつして増えた株のうち、極端に細い茎や株元から横に伸びるほふく茎は、鎌などで取り除いて整理するとよい。取り除いたほふく茎の芯は、マコモ芽として食べられる。
- 収穫を終えたら落水しておけば、春に株分けや植え替えをして再び栽培できる。
マコモダケのオススメ料理について
加熱して食す。
ほんのりした甘みとサクサクした食感が持ち味なので、素焼きにして味噌や塩、醤油などをつけて食べたり、天ぷらにするとよい。
また、スライスしたものをさっと炒めて食べたり、汁ものに入れても合う。食感を損なわないよう、加熱時間が長くなりすぎないように注意する。