ソバの解説
生長が早い作物で、播種からおおよそ2~3ケ月で収穫できる。
土壌の適応性は高く、吸肥力が強い為痩せ地でも育ちやすいが、土壌の多湿には非常に弱い。また、アレロパシー(他感作用)が強く雑草と競合しづらい為、除草などの管理は比較的容易といわれ、吸肥力やアレロパシーを利用して、緑肥としても栽培される事がある。
品種によって、夏ソバ(春まき型)、秋ソバ(夏まき型)、中間型などの作型があり、地域の気候や品種に合った栽培を行う事が大事。他家受粉植物の為、近隣で他品種を栽培すると交雑しやすい。
一般的なソバの他に、健康茶などに利用されるダッタンソバがある。
家庭菜園のソバの育て方について
栽培適期
発芽適温は20℃~30℃、生育適温は10℃~25℃。地域や品種にもよるが、一般に春まき型は遅霜の心配がなくなった4月~5月頃、夏まき型は7月下旬~8月頃に種をまく。
土壌の準備
土壌の適応性は高いが、pH6.0~6.5程度になるように石灰などで酸度調整をするとよい。堆肥などの腐植物に加え、元肥は、チッソ、リン酸、カリをバランスよく含む肥料を少量施す。
チッソが多いと茎葉が繁茂して倒伏しやすくなったり、実つきが悪くなる事があるので注意する。前作の残肥があれば、無肥料または堆肥のみの施用でも構わない。
栽培方法
条間40cm~60cmで溝をつくり、種をすじまきする。覆土の厚さは2cm程。しっかりと鎮圧して軽く水遣りをする。
発芽したら、本葉2~3枚の頃に株間5cm~7cmになるように間引く。
追肥は、生育が悪い場合のみ着蕾の頃に施す。
収穫
実の7割程度が褐変したら、根元から刈り取って収穫する。その後は1~2週間程雨の当たらない場所で干して乾燥させ、実を落として脱穀する。
ポイント
- 多湿を極端に嫌う為、灌水は最低限にする。
- 種まき直後は鳥害に遭いやすいので、不織布などのベタ掛けで防御するとよい。
- 生育が進むと倒伏しやすくなる為、開花頃にしっかりと土寄せをする。
- 成熟した実(種子)は自然に脱粒しやすいので、早めの収穫を心掛け、収穫作業の際にも脱粒がないように注意する。落ちたソバの実は盛んに発芽し、雑草化しやすい。
ソバに発生する害虫一覧
ソバのオススメ料理について
収穫したソバは脱穀してから利用するが、機械による脱穀が困難な場合には、瓶の中にソバの実を入れ、棒などで突いてソバ殻と実を分けるとよい。
殻を除いたものはソバ米として利用できる。主に、白米と混ぜて炊いたり、雑炊や汁粉などにして食する。脱穀したソバ米を粉に挽く場合は、家庭ではコーヒーミルを利用するとよい。熱に弱い為、ゆっくりと時間をかけて、滑らかな粉になるまで挽く。
できたソバ粉は、ソバ(麺)やそばがき、ガレットの他、小麦粉と混ぜて菓子などに利用できる。
ダッタンソバはポリフェノールの一種であるルチンが豊富に含まれるが、苦みがある為、食用する際には少量を混ぜて利用するか、脱穀したものを焙煎してお茶にするとよい。