タイムの解説
生育に冷涼な気候を好む常緑低木で、冬に地上部が枯れたり生育が悪くなっても、春に再び萌芽して生育する。
春と秋に種まきができるが、初期生育が緩慢な為、大量に必要がない場合には、苗を購入して栽培した方が手軽。挿し木でも株を増やす事ができる。
大別すると、立性とほふく性の品種があり、立性品種は草丈が20~40cm程に育つ。代表的なコモンタイムの他に、レモンやキャラウェイに似た芳香をもつ品種や、葉に白い斑が入る品種がある。
家庭菜園のタイムの育て方について
栽培適期
発芽適温20℃前後、生育適温15℃~20℃。春か秋に苗を植えて育てる。種から育てる場合には、3月~5月、または9月に種をまいて育苗する。
土壌の準備
pH6.0~7.0の中性寄りの土壌を好むので、酸度調整が必要な際には石灰を混ぜて中和する。堆肥などの腐植物に加え、元肥は、チッソ、リン酸、カリをバランスよく含む肥料を施す。
日当たりを好むが夏の強光や高温を嫌う為、栽培地は、夏には半日陰になる場所が好ましい。
栽培方法
株間20~25cmで、草丈5~6cm程に育った苗を植え付ける。定植後は、生育状況を見ながら、2ケ月に1度を目安に追肥を施す。
収穫
草丈20cm程に育ったら、随時枝先を切り取って収穫する。4月~5月の開花期に香りが一番強くなるので、その頃に多めに摘み取って保存するとよい。
ポイント
- 多湿を嫌うので、土壌は乾燥気味に管理する。
- 葉が繁ると蒸れる為、マメに収穫して風通しをよくしたり、梅雨前には大きく切り戻すとよい。
- 強光や高温を嫌う為、夏には半日陰に移動させたり、遮光ネットなどで日避けをすると株が弱らない。
- 寒さには強いが、厳寒期には霜避けなどの防寒策を施したり、屋内に移動させたりするとよい。
- 長く栽培すると株の木質化が進む為、3~4年に1度を目安に株分けや植え替えをして、株を更新する。
タイムのオススメ料理について
主に、肉や魚のローストやソテーなどに利用されたり、他のハーブと併せて煮込み料理のブーケガルニとして使われる。ハーブティーにしてもよい。
オイルに漬けて香りを移せば、ハーブオイルとしても利用できる。乾燥させれば、長期保存もできて便利。