- 害虫の発生時期
- 5月 〜 10月
トマトサビダニの解説
ダニの仲間で、成虫、幼虫共にナス科植物の茎葉や果実に寄生して吸汁する。特にトマトの被害が著しい。
成虫は体長0.2mm以下と極小の為、肉眼では発見しづらいが、作物の葉裏が光沢を帯びた褐色に変化して巻き込んだり、茎が褐変するなどの症状が現れたら、トマトサビダニが寄生している可能性が高い。症状は株の下部から現れ、次第に上部へと拡大する。
施設栽培での発生が多いが、夏季の高温乾燥時には露地でも発生し、その繁殖速度は速い。
低温に弱く露地では越冬出来ない為、施設栽培の苗などについて持ちこまれ、繁殖すると言われている。
家庭菜園でのトマトサビダニの被害内容について
吸汁により葉や茎が褐変し、作物の生長が阻害される。ひどくなると株全体が褐変したり葉が黄化し、枯死する事がある。
トマトサビダニに寄生された果実は灰褐色に変化し、表面には多数の細かい亀裂が生じて、品質がおおいに損なわれる。
家庭菜園でのトマトサビダニの予防について
害虫の寄生がない健全な苗を購入する。
高温乾燥の気候で多発する為、ナスなどには朝や夕方に葉裏を中心に勢いよく散水し、葉裏を洗い流すと共に湿度を保つとよい。但し、トマトは多湿を嫌う為、水分過多には注意する。
家庭菜園でのトマトサビダニの対策について
無農薬
牛乳や油石鹸水等を直接噴霧して窒息させる(液がダニを被膜して、気門を塞ぐ)。
- 牛乳は水などで希釈せずに原液のまま使用する。
- 油石鹸水は、油(植物油など)1:水50の割合に石鹸水少々をよく混ぜ合わせて作る。
- その他、海草のフノリを水で戻した際の水や、でんぷんのりを水で溶いたものに少量の石鹸水を混ぜたものも同様の効果がある。
いずれも、噴霧してしばらくおいた後に洗い流すとよい。但し、卵には効果がない為、頻繁に作業を行う必要がある。
被害葉を発見したら、早期に寄生葉を除去する。その際は、残渣を畑に残さない。
農薬
アファーム乳剤、コロマイト乳剤、ハチハチ乳剤、モベントフロアブルなどを散布する。苗の定植前にモベントフロアブルを潅注処理するのも効果的。