紋枯病

主にイネに発生する病害で、水際付近の葉鞘に水浸状の病斑が生じる。上部に進展して穂が侵されると、収量や品質が低下する。ショウガやミョウガにも発生する。
カナ
モンガレビョウ
病気の発生時期
7月 〜 9月

紋枯病の解説

病原は糸状菌の一種で、前年より残存した菌核が高温多湿条件下で発芽し、葉鞘内に侵入して発病する。

発病したイネは水際付近の葉鞘に水浸状の病斑を生じ、病斑は次第に周縁が黒褐色で内部が淡褐色や灰色となる。病斑上に生じる白いカビ(菌糸)により、病気が上部に進展したり隣接株に伝染する。やがて病斑上には鼠の糞に似た淡褐色の菌核を形成する。

病株は倒伏しやすくなり、また、穂まで侵されると収量や品質が大きく低下する。

糸状菌のリゾクトニア属菌の土壌伝染により、ショウガミョウガも紋枯病を発病する。

ショウガでは主に葉、葉鞘が侵され、不整形の陥没病斑などを生じる。まれに塊茎が侵されると、表皮が飴色となり、出芽した芽にも被害が及ぶ事がある。

ミョウガでは、花蕾が侵されると水浸状の円形病斑を生じ、やがて軟化腐敗する。収穫後に発病する場合もある。葉鞘では、周縁が褐色で内部が灰白色の楕円形病斑を生じる。

共に高温多湿が発病を助長する。

家庭菜園での紋枯病の被害内容について

イネでは穂の被害により減収したり品質が低下する。また、病株の倒伏により隣接株の倒伏を招くなどの二次被害を生じる。

ミョウガショウガでは生育不良となったり、花蕾の発病により減収する。

家庭菜園での紋枯病の予防について

  • イネではチッソ肥料の多用を避け、茎の軟弱化や過繁茂を防止する。
  • ミョウガショウガでは連作を避け、無病の種塊茎を使用する。また、多湿とならないよう、水はけのよい土壌作りに努める。
  • 太陽熱などを利用した土壌消毒を行う。

家庭菜園での紋枯病の対策について

無農薬

イネは、発病株が少ない場合には抜去し、周囲への伝染を防止する。密植でなければ、伝染は大きく拡大しない場合がある。

ミョウガショウガは発病後の治療策はない為、発病があった土地では予防策を実施する。

農薬

イネにはアミスター、イモチミン、エバーゴル、バリダシンなどを散布する。

ミョウガショウガは、栽培前に土壌くん蒸剤などを用いて土壌消毒を行う。

紋枯病が発症する野菜一覧

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