イネゾウムシ

ゾウの鼻に似た頭部を持つ甲虫類で、成虫が生育初期のイネの心葉を食害する。
害虫の発生時期
4月 〜 8月

イネゾウムシの解説

成虫は体長が5mm程で、体色は灰褐色。背面後部に一対の白斑がある。

幼虫は体長6mm程の黄白色をしたウジムシで、イネの株元に生息するが、腐植物などを摂食する事が多く、イネの葉や根を食害する事は殆どない。

成虫は生育初期のイネの葉鞘に口吻を刺して心葉を食害する為、新葉展開後には葉身部に小さな穴が一列にあき、風などで切れ落ちやすくなる。また、稀に籾を食害し、穿孔米を発生させる事がある。

イネゾウムシは成虫や幼虫で越冬し、越冬成虫は4月頃から、越冬幼虫は5月頃から羽化してイネ科雑草地に生息し、やがて田に移ってイネの食害を開始する。

山間や山麓部の水田、冷水灌がい田や日陰の水田で多く発生し、また、チッソ過多で軟弱なイネを好んで加害する傾向がある。

家庭菜園でのイネゾウムシの被害内容について

成虫による葉鞘部食害で作物の初期生育が抑制されたり、心止まりとなる。被害が激しい場合には、株が枯死する事もある。

食害により有効穂数や粒数が減る為、減収する。

籾を食害されると穿孔米となり、品質が低下する。

家庭菜園でのイネゾウムシの予防について

冬季には田を深耕し、越冬幼虫を寒気に当てて密度低下を図る。

イネ科雑草が生息地となる為、周辺のイネ科雑草を除草する。

軟弱なイネに育たないよう、チッソ過多に注意して施肥する。

容器栽培の場合には、周辺の環境に気を配れば、発生の心配は少ない。

家庭菜園でのイネゾウムシの対策について

無農薬

イネの生育初期に注意深く観察し、成虫を発見したら補殺する。飛ぶ事はなく動きは鈍い為、捕捉しやすい。

農薬

シクロサールの他、トレボンやエルサンの散布で効果が見られる。

家庭菜園でイネゾウムシが発生しやすい野菜一覧

#イネ   
最終更新日: