イモチ病

イネの病害で全生育期間に渡って発生し、発生する部位や時期によって苗いもち、葉いもち、穂いもちなどと呼ばれる。
カナ
イモチビョウ
病気の発生時期
4月 〜 9月

イモチ病の解説

病原は糸状菌の一種で、病斑上に形成された胞子が雨風により飛散して伝染する。

苗で発生して立ち枯れ症状となるものを苗いもち、本田で葉に発生するものを葉いもち、出穂後に穂に発生するものを穂いもちと大別して呼ばれる。

苗いもちは主に種子伝染によるもので、播種後10日頃より苗が萎凋褐変して枯死する。発病苗を本田に移植すると、葉いもち蔓延の原因となる。

葉いもちの一般的な病斑は紡錘形で周縁が褐色、中央部が灰白色をしており、停滞型病斑や止まり型病斑と呼ばれる。これに対して、急性型病斑や湿潤型病斑などと呼ばれる円形や楕円形で灰緑色や暗緑色の病斑が発生する事があり、こちらは拡大が急速で胞子の形成が非常に多く伝染力が強い。病状が進むと株全体が萎縮する(ずりこみ)現象が発生する。

穂いもちは発生部位によって細かく分類され、それぞれ籾いもち、枝梗いもち、穂首いもち、節いもちなどと呼ばれる。穂いもちは発生すると最も被害が大きく、中でも穂首いもち発生による被害は甚大となる。

穂首いもちは、穂首節に灰色の斑点が生じ、急速に拡大して褐色の病斑が形成され、白穂となる。

イモチ病は気温20℃~25℃の高湿度条件下で発生しやすく、曇天や雨天の日が続く少日照で株が濡れた時間が長くなると発生が拡大する。また、チッソ過多による株の軟弱化は発病を助長する。

家庭菜園でのイモチ病の被害内容について

生育不良となり、激発すると株が枯死する。

穂いもちが発生すると、米の品質が損なわれたり大きく減収する。

家庭菜園でのイモチ病の予防について

  • 抵抗性品種を選定して栽培する。
  • 無病籾や無病苗を使用する。
  • 塩水選を必ず行い、種子消毒(60℃、10~15分間の湯温消毒や薬剤消毒)を徹底する。
  • チッソ肥料の多用を避ける。

家庭菜園でのイモチ病の対策について

無農薬

発病株は早期に抜去し、他への伝染を防止する。残渣は田周辺に残さずに処分する。

農薬

種子消毒にはスポルタック、テクリードC、トリフミン、ヨネポン、ベンレートなどを使用する。

本田ではアミスター、イモチエース、イモチミン、オリゼメート、オリザトップなどを散布する。

イモチ病が発症する野菜一覧

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